通勤や駅までのちょっとした移動に役立つ電動キックボード。欧米では2018年からアプリサービスを通じた電動キックボードのシェアリングサービスがはじまっています。
もともとはアメリカでうまれたサービスですが、ヨーロッパ各国の他、オーストラリアやニュージーランド等でも普及し話題になっているのです。
しかし日本ではあまり電動キックボードを見かけることは少ないですよね。この記事では、日本における電動キックボードの現状と今後の展望についてまとめました。
Contents
電動キックボードとは
電動キックボードとはモーターを用いて走る新しい電動モビリティです。従来のキックボードは毎度地面を蹴って進む必要がありましたが、電動キックボードにその煩わしさはありません。
世界各地において渋滞緩和や観光客の足の確保など非常に実用的だと自転車にとってかわる新しいモビリティとして、シェアリングサービスの展開が進められているのです。
ちなみに日本では法規制の関係上、海外のように普及が進んでいないというのが現実です。
海外でなぜ人気? 電動キックボード
人気の秘訣は、場所を取らないスリムな車体、かんたんに持ち歩けるお手軽さ。アメリカを中心に大ブームとなっている理由のひとつに、早くそして安く移動できることがあります。
サンフランシスコでは歩いて30分かかる距離でも、時速24~30km/時だせる電動キックボードなら5~10分。
またシェリングサービスが充実しており、基本料金は1ドルで1分につき15セントと安く、スムーズに移動できてとても実用的なのです。
電動キックボードの操作は難しい? 練習は必要?
電動キックボードの操作はとてもシンプルで、かんたんだと言われています。練習はほとんど必要ありません。乗り方をかんたんに説明すると、
- 片足を板にのせて、違う方の足で地面を蹴って乗り込む
- 走り出したら、アクセルを押して加速
- 止まりたいときはブレーキをかける
乗る、走る、止まるという3つがシンプルな操作でかんたんに行えるのです。またハンドルもついていますのでかんたんに方向転換することもできますし小回りもききやすいです。
日本の公道では電動キックボードに乗れない!
海外ではシェアリングサービスが進んでいる電動キックボードですが、日本では法整備がまだ進んでおらず公道で走行するにはいくつかの条件をクリアしなくてはなりません。
項目別に解説をしていきます。
誰でも気軽に公道で電動キックボードに乗ることはできない
欧州ではまるで自転車のように会社へいくサラリーマンや若い女性が乗っているのですが、日本ではそういうわけにはいかないのです。
日本の法律では、電動キックボードは原付と同じようにナンバー取得が必須、もちろん手続き後はヘルメットの着用もかかせません。そのため自転車のように、かんたんに走ることはできないのです。
逆に海外で通勤に電動キックボードをスイスイ使っているのはそういった制限がないためです。
日本での電動キックボードの法律上の区分
2019年現在電動キックボードは、日本の法律では原付もしくは自動二輪扱いとなります。
販売会社が「電動キックボードは私有地もしくは、許可された公園やレジャー施設のみでの使用」と忠告しているのはそのためです。
電動キックボードが公道を走るためには車体が保安基準(方向指示器やサイドミラー、ナンバー取得など)を満たすことが必須。
もし条件を満たさずに公道にでてしまうと、整備不良として罰則の対象となってしまいます。
日本での電動キックボード実用化に向けた今後
しかし観光客の周遊や、ちょっとした移動などにやっぱり便利な電動キックボード。
シェアリングサービスを設置することにより、新しい移動手段の確保や渋滞緩和につなげられればという狙いのもと、取り入れに向け動いている公的機関もあります。
日本の公道走行に向けた実証実験がスタート!
なかでも福岡市は積極的に電動キックボードの規制緩和をうったえています。
実際に福岡市は2019年のはじめに国家戦略特別区域会議において、シェアリングサービスの提供に向けた電動キックボードの公道走行を提案しました。
そして実証実験もすすめており、電動キックボードが、免許なしで走行ができる電動アシスト自転車と同じくらいの安全性を持っていることを証明して、シェアリング制度の導入に向けて動きだしています。
法規制をどう解いていくべきか?
現在さまざまな自治体が、各々で民間の会社と提携し電動キックボードの実証実験をすすめています。
つまり別々の場所ではありますが、市民が実際に体験をすることで、「電動キックボードの安全性」「便利さ」に気付く機会が広がっているということです。
実際に海外ではそういった事実のもと各都市で大ブームとなっているわけですから、こういった地道な努力と自治体・市民の声がこれからも大切になっていくのではないでしょうか。
まとめ
この記事では、日本における電動キックボードの現状をご紹介しました。
ここ数年で電動キックボードを見かける機会は断然ふえたのですが、法律の関係か公道で見かけることはほぼありません。
しかしその便利さから、全国各地の自治体がシャアリングサービスの導入に向けさまざまな取り組みをしているのもまた事実。
駅や会社までスムーズに移動できるこの新型モビリティ、街の中でよく見かけるようになる日もそう遠くはないかもしれません。