圧倒的な使いやすさから、「ファーストワンマイル (ちょっとした移動) 」のための移動手段として注目をあつめている電動キックボード。
しかし日本ではいまだに法規制がきびしくそうかんたんに公道や市街を走るといったことができません。
この記事では電動キックボードを安全に使うため、公道を走るにあたり必要なこと、また起こりがちな違反と罰金について知っておきたいことをまとめました。
Contents
電動キックボードとは
電動キックボードとは、モーターで走る電動モビリティ。コンパクトで小回りも得意なので、スマートに移動ができるのも特徴です。
90年代に流行ったキックボードのように毎回地面を蹴る必要はないので、力いらずで爽快な走りがたのしめます。
海外でなぜ人気? 電動キックボード
アメリカ西海岸を中心として、いまや欧州でも大ブームとなっている電動キックボード。
2018年からはシェアリングサービスの展開も加速し、全世界70箇所で展開されています。人気の理由はスマートに移動できるという便利さ。
軽くてコンパクトなのでだれでも手軽にあつかうことができ、目的地までかんたんに早く移動ができるのです。市民だけでなく、観光客も気軽に使えるというのも魅力のひとつです。
電動キックボードの操作は難しい? 練習は必要?
感覚を掴むまではすこし不安定に感じることもあるかもしれませんが、補助輪なし自転車に乗ることができる方ならすぐに慣れることができます。
乗り方もかんたんな3ステップ。
- 片足を板にのせ、もう片足で地面を蹴って乗り込む
- 安定したら、アクセルを押して加速
- 止まりたいときはブレーキをかける
ハンドルもついていますので、かんたんに方向転換することもできます。
コンパクトで軽いので、自転車に慣れている方は扱いやすく感じるでしょう。
日本では法律で規制されている
日本では電動キックボードはおもちゃではなく、「原動機付自転車」扱いとなります。そのため歩道を走ることも、市街地を走ることもできません。
使える場所は私有地または、許可されたレジャー施設、公園などに限られています。
必要な法律をクリアすれば公道を走ることもできますがその場合でも走れるのは車道だけ。今の日本の法律ではどちらにしても歩道を走ることはできないのです。
どうすれば電動キックボードで公道を走れるの?
公道を走るには車体 (電動キックボード) が保安基準を満たした上で、ナンバー登録をする必要があります。
保安基準を満たした状態で売られている電動キックボードは少なく、ほとんどの場合、自分で必要なパーツを購入して取り付ける必要があります。
車体の取り付け
こちらが道路運送法上の保安基準を満たすために必要な装備です。
- バックミラー
- 方向指示器
- 前照灯
- 番号灯
- ナンバープレート
またブレーキは前後輪両方に装備されている必要があります。ナンバープレートは自分が住所登録をしている最寄りの市町村役場で取得することができます。
その際に車体が保安基準を満たしているかチェックがはいりますので、あらかじめ万全な状態にしてからナンバー登録にすすみましょう。
その他必要なもの
またそれ以外にも気をつけたいのが、こちらです。
- 運転免許証の所持
- 自賠責保険への加入
- 軽自動車税の納税
- 免許携帯、ヘルメット着装など交通法令の遵守
原付と同じ扱いになりますのでしっかり道路交通法をまもって車道を走り、スピード制限にも注意が必要です。そしてヘルメットもかならず着用するようにしましょう。
公道走行になれないうちはプロテクターなど、万が一に備えておくとより安心です。
違反時の罰金はどれくらい?
電動キックボードのナンバー取得が完了して、いざ公道を走れるようになっても、何かが欠けているだけで違反の対象となってしまう場合があります。
下記は公道を走る前に、いまいちど気をつけたいポイントです。
道路交通法第62条に違反(3月以下の懲役または5万円以下の罰金。
電動キックボードで公道を走るには、方向指示器、ミラーの装着など保安基準を満たしている必要があります。
もし必要なパーツが欠けた状態で道路を走ると整備不良車両運転となり、処罰される可能性があります。これらのパーツは安全に走るために必要なものなので、自分の身を守るためにも必ず装備しておきましょう。
電動キックボードは座席がついている場合、電動スクーターと呼ばれることもあります。
自動車損害賠償保障法により1年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
たとえば自賠責保険に入り忘れていた、といった場合はこちらの法律により処罰される可能性があります。
「1年以下の懲役または50万円以下」は重いですよね。このように電動キックボードは、道路運送車両の保安基準をみたしていて、かつ、自賠責保険にはいっていなければ、運転免許を携帯していても道路を走ることはできないのです。
自賠責保険はネットで24時間加入することができますので、必ずはいりましょう。
まとめ
この記事では日本における電動キックボードの法的な扱い、公道を走るために必要なこと、違反となりやすい事例についてまとめました。
2019年夏現在、電動キックボードをつかえる場所は私有地などにかぎられていて、そのほかの場所では制限がかかっています。
しかし電動キックボードはきちんと法律を守れば公道も走れるものです。交通事故を防止し快適に使っていくためにもルールにしたがって、安全にも充分に注意していきたいですね。