【2020年】先進各国の電動モビリティへの取り組み

近年、国内でも電動の乗り物を見かける事が増えてきました。しかし、世界における電動モビリティの広まりは日本とは比較になりません。ここでは、先進各国の電動モビリティ事情を紹介し、移動手段の未来を考察します。

世界では電動モビリティの時代が始まっている

「電動モビリティ」とは電気を充電して走る乗り物のことを指します。このように定義すると、いわゆる電気自動車が思い浮かびますが、世界では小型で低速の「マイクロモビリティ」が急速に浸透してきています。

先進国の大都市では、電動モビリティを必ず目にするといっても過言ではありません。この動きは2018年頃から始まり、あっというまに先進各国に拡がりました。世界は電動モビリティの時代に突入したといえるでしょう。

電動モビリティの時代が到来!

小型で軽量の電動モビリティに乗って颯爽と走り抜ける姿には、憧れと新時代の到来を感じます。しかし日本では、それほど普及率は高くありません。

対する先進各国では環境意識の高まりもあり、CO2を排出しない電動モビリティの普及が急速に進んでいます。各国の都市部では、手軽にシェアレンタルできる電動キックボードが、市民の新しい移動手段として定着しています。

世界ではキックボードタイプが主流 

そもそも電動モビリティにはどのような種類があるのでしょうか?ひとくちに電動モビリティといってもさまざまな形態があり、スピードや移動距離も多種多様です。
ミニカーのようなものや、バイク・スクーター型、電動スケートボード、ミニセグウェイなどいくつかの種別系統に分類されますが、2020年現在、世界で最も普及しているのがキックボードタイプの電動モビリティです。
足を載せるボードに車輪とハンドルがついたこのタイプは、小型・軽量で利便性が高く、操作もシンプルなので手軽に利用できます。
キックボードタイプの電動モビリティは、交通機関を利用する前後「ラスト1マイル」の移動手段として、先進国内では認知されています。

スマホで簡単!電動モビリティの利用方法 

世界の大都市では駅前やバス停のそばに電動キックボードが並べて置かれています。また、町中にポツンと放置されていることも多くあります。このような電動モビリティはどのようにして利用するのでしょうか?
利用者はスマートフォンのアプリを使って登録をすれば、いつでもキックボードに乗車できます。「Lime」や「Tier」といった、電動キックボードのシェアリングアプリを立ち上げ、QRコードを読み取ればロックが解除される仕組みです。
電源を入れて本体のアクセルレバーを倒せば、キックボードがゆっくり走り出します。徐々にスピードが上がり乗車姿勢が安定すれば、目的地までの快適な移動を楽しめます。 
利用料金は、基本料金と時間加算分がクレジットカードや Apple pay などから引き落とされます。 

電動モビリティ 先進各国のルールを比較

世界中で利用されている電動モビリティですが、2020年現在、世界統一のルールは未だ存在せず、各国によって取り決めに違いがある状況です。
ここでは先進各国における電動モビリティ関連の規定をご紹介します。

アメリカの電動モビリティに関するルール

アメリカ合衆国における電動モビリティのルールは、州ごとに異なります。電動キックボードの普及率が高いカリフォルニア州では、最高速度は15mile(およそ時速24km)、利用できるのは18歳以上からで、免許証と保険、ヘルメットが必要です。また、歩道の走行には制限があります。

ヨーロッパの電動モビリティに関するルール

ヨーロッパで電動モビリティ普及率の高いフランスでは、最高速度は時速25kmほど。免許証、ヘルメットなどは不要で、比較的自由度が高いといえます。同じくEU先進国であるドイツでは、最高速度は時速20kmまでなど、国ごとに取り決めの違いもあります。

アジア・オセアニアの電動モビリティに関するルール

アジア圏で電動モビリティが浸透しているシンガポールでは、道路の種別ごとに 制限速度が変わってきます。一般的な歩道では最高速度は時速10km、自転車専用道路では時速25キロと道路ごとに違いがあります。
ニュージーランドでは電動モビリティに対する規制が少なく、免許証も必要ありません。制限速度も製造時のモーター出力規制のみとなっています。

電動モビリティから未来の世界が見えてくる

世界で多くの人々に利用されている電動キックボードは、手軽に扱えて環境にも優しいと良いことずくめのようですが、実際はどうなのでしょうか?世界で問題となっている事例を見てみましょう。

電動モビリティの課題

先進各国では、電動モビリティの普及率が上がるにつれてさまざまな問題も浮上してきました。
電動モビリティの運転マナー低下や飲酒運転は常に問題視されています。交通事故は増加傾向にあり、死亡事故も起こっています。歩道に放置されたキックボードが、歩行者や障がいを持つ人の妨げになっているという報告もあります。

先進各国はどう動くのか?

このような現状をうけて先進各国では、電動モビリティに対する規制強化の対策を取らざるを得ない状況が続いています。フランスのパリ市などのように、国の対策を待たずして市独自の規制強化に踏み切った自治体も出てきています。

今後もさらに、電動モビリティ関連の規制や罰則の強化は進んでいくことでしょう。

電動モビリティと私たちの未来

電動モビリティは確実に「移動」の在り方を変えつつあります。さまざまな問題点も指摘されていますが、世界における普及率はこの先も上昇拡大することが予想されます。
マナーを守って安全に使用すれば、大変便利な乗り物です。乗車の機会があれば、是非チャレンジしてみましょう。

電動モビリティで時代の波を乗りこなそう

電動モビリティは世界中で、私達の移動シーンを大きく変えました。近い将来、日本にもこの波は押し寄せてくるでしょう。2020年現在、日本では電動キックボードのスタートアップ企業が積極的に事業を展開しており、都市での実証実験も行われています。
今後、電動モビリティが私達にとって、欠かせない移動手段となる日も近いでしょう。新しい時代の波に乗り遅れないように、今から電動モビリティの情報にアンテナを張っておくと良いかもしれません。
「移動」のイノベーションがもたらす未来は、すぐそこまでやってきているのです。