電動キックボードに乗るための知っておきたい法律まとめ

海外ではシェアリングが進んでいますが、日本ではいまだに規制の厳しい電動キックボード。公道を走るには一定の条件をクリアしたうえで、ナンバー登録をする必要があります。しかし圧倒的な使いやすさから、「ファーストワンマイル(ちょっとした移動)」のための移動手段として規制緩和に向け動いている地域もあります。

この記事では電動キックボードを楽しく安全に使うために、知っておくと役立つ法律情報をご紹介します。

電動キックボードの法律上の扱い

電動キックボード、(座席がついている場合は電動スクーターと呼ばれている)は、道路運送車両法上は原動機付自転車または普通二輪に該当します。

  1. 定格出力600W以下→ 原付一種 (50cc未満)
  2. 定格出力1kW以下→ 原付二種(125cc未満)
  3. 定格出力1kW超→ 軽二輪 (125〜250cc)

※定格出力とは、モーターの大きさのこと

したがって、電動キックボードまたはスクーターは、前照灯、番号灯、方向指示器等など道路運送車両の保安基準にを満たすことができれば公道を走れます。なかなか満たすことができないので、販売サイトでよく「公道での走行は不可、制限のないレジャー施設・公園・私有地のみ使用可能」と書かれているのはこのためです。

電動キックボードで法律的にかかる費用

納税義務が発生する

電動キックボードまたはスクーターの所有者は、地方税法に規定する軽自動車税 (市町村税) を納付する義務があります。軽自動車税は毎年4月1日で、登録された車体を保有している人が払うものです。年度の途中で登録した場合は翌年度から課税されます。

例:令和1年5月1日登録→令和年2年度分から課税

いつ払えばいいのかについてですが、納税通知書はおおよそゴールデンウィーク前後に届きます。ナンバー登録の際に記載した住所宛てに送付されるので、見落とさないようにしましょう。費用は車体の区分にもよりますが1,000円〜5,000円以内でおさまるようです。「納税通知書」の期限内に支払えばOKです。

法律に違反してしまった場合

よくある法律違反は「手続きを踏まず、公道を走ってしまった」ということがあります。

これに対し定められた基準を満たしていない状態で道路を走行すると、整備不良車両運転となり処罰される場合があります。(罰則:3月以下の懲役または5万円以下の罰金)

また公道を走る手続きを踏んでいる場合は、

  • 自賠責保険に加入していない(罰則:1年以下の懲役または50万円以下の罰金)
  • 速度制限を守らない
  • ヘルメットを着用していない

といったことが考えられます。原付は「法廷制限速度は30km/時」を超えた場合、刑事罰として6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が課せられることもあるのでスピードにも注意を払う必要があります。

電動キックボードの規制緩和は?

海外ではすでに普及が進んでいるものの、日本ではいまだに原付扱いになるなど、普段使いにするには厳しい規制があるといった厳しい現実があります。しかし近年「ファーストワンマイル、ラストワンマイル(ちょっとした移動)」に電動キックボードを利用したいという声もあがっているのです。

実際に2019年夏には福岡市で、電動キックボードシェアリングの実証実験が予定されています。福岡市は「電動キックボードを自転車と同じように乗れる特区ができないか」と国に提案もしています。このように各地で規制緩和に向け動きだしているところもあり、電動キックボードの規制緩和には、遠からず何らかの動きがあるのではと期待されています。

電動キックボードに乗れる場所 

電動キックボードは、主に

  • 制限のないレジャー施設や公園
  • 倉庫などの施設内
  • 私有地

で乗ることができます。私道といっても多くの人が通行する場合は規制がひかれている場合もあるとのこと。もし特定の場所で使いたい場合は、事前に管理者に確認することが必要となります。逆に許可されているレジャー施設もあり、「今までできなかった、周遊ができるようになった」と喜びの声も聞くほどです。

また私有地や、大きな倉庫や施設内での移動に使われている方もいるようで、制限のない場所では安全に気をつければ自由に乗れるという事例もあります。

電動キックボードで公道を走る方法

免許証の取得

電動キックボードは、一定の条件を満たしたうえで、ナンバープレートを取得すれば公道を走ることができます。公道を走るために免許証は欠かせません。所有している車体の区分に応じた免許を保有している必要があります。

  • 運転免許を保有
  • 道路車両上の保安条件を満たしている(前照灯、番号灯、方向指示器など)
  • ナンバープレートを車体へ取りつける
  • 自賠責保険に加入する
  • 税金をおさめる
  • ヘルメットを着用する

といった条件をクリアすることが必要です。

装置を保安基準に

電動キックボードが道路車両上の保安条件を満たしているかも大事なポイントです(前照灯、番号灯、方向指示器など)。保安部品がついているモデルもあれば、自身で必要なパーツを集めなければならない場合もあります。

各種支払い

ナンバー登録は、自身が住所を登録している最寄りの市町村役場で行うことができます。公道を走るには下記支払いが発生します。自賠責保険はコンビニでも加入することができます。

  • 自賠責保険に加入する
  • 軽自動車税をおさめる

まとめ

電動キックボードに関する法律についてご紹介しました。公道を走るには一定の条件をクリアしたうえで、ナンバー登録をする必要があります。手続きを踏み法律を守れば合法で公道を走ることができますので、法律を守って安全に気をつけていけば、長く楽しめるのではないでしょうか。