ドン・キホーテで再販売予定の電動キックボード徹底解説

 

米では都市部を中心に、電動キックボードのシェアリングサービスが普及し、シェアサイクルのように活用されています。しかし日本では、道路の交通事情や法律の規制から、まだまだ普及は進んでいない状況です。

そんな中、2020年6月上旬、日本の公道でも走行可能な電動キックボードがドン・キホーテで販売。話題になりましたが、販売からわずか2週間あまりで販売停止になりました。

今回は、話題の電動キックボード「FG-ESR002-BK」について、商品詳細や、販売開始から停止までの経緯も含め紹介します。

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電動キックボードでの通勤!折り畳みで公道を走るのが最高

6月 23, 2021

【2020年6月】ドン・キホーテで販売開始!公道走行可能な電動キックボード(※販売停止となりました)

近所への買い物や通勤・通学で活躍の場が期待され、次世代のエコな移動手段として世界でも注目されている電動キックボード。2020年6月上旬、注目の電動キックボードが、ドン・キホーテ系列店舗で販売開始されました。FUGU INNOVATIONS JAPANの公道走行可能な電動キックボード「FG-ESR002-BK」で、価格は税抜き3万9,800円です。

公道走行にも対応している「FG-ESR002-BK」について、詳しく解説します。

注目の「FG-ESR002-BK」の特長

充電3時間で最長約15kmの走行が可能で、簡単な操作で使いやすい仕様です。

最高速度を調整できる2段変速ギアは、約15kmに抑えたノーマルモードと約20〜25kmで走行するスポーツモードが用意されており、切り替えはボタンを押すだけです。

公道走行のために、バックミラー・方向指示器・尾灯・ナンバープレートホルダーが装着されています。

また、持ち運びや収納に便利な折り畳み式で、アウトドアシーンでも活躍するでしょう。

「FG-ESR002-BK」の気になる仕様

耐久性のあるウッドデッキに、快適な走行を実現した「FG-ESR002-BK」のスペックを紹介します。

タイヤサイズ:8.5インチ
最高速度:約35km/h
最大走行距離:約15km
耐荷重量:約120kg
充電時間:約3時間
充電電流:1.5A
充電電圧:42V
対応身長:150~200cm
適用年齢:12歳以上、65歳以下
本体重量:約12kg
本体サイズ:(縦置き時) W1,100×D460×H1,215mm
      (折り畳み時)W1,100×D460×H500mm

「FG-ESR002-BK」走行の注意事項

「FG-ESR002-BK」は日本の法律上、定格出力0.60kW以下の原動機付自転車に該当するので、走行時には有効な運転免許証の携帯・ヘルメットなど安全装備の装着、自賠責保険の加入と軽自動車税の納税が義務付けられています。

ナンバープレートの取得は、購入者の住民票がある自治体で「標識(ナンバープレート)交付申請」を行い、わからない場合は最寄りの自治体に問い合わせましょう。

注目の公道走行対応の電動キックボード、突然の販売停止

販売開始当時は、バックミラーや方向指示器・尾灯・ナンバープレートホルダーを装着しているので、ナンバープレートを取得すれば、公道を走行することができること、ドンキならではの破格の価格が話題になった「FG-ESR002-BK」。

ところが2020年6月下旬、FUGU INNOVATIONS JAPANが、突如「FG-ESR002-BK」の販売停止を発表しました。

販売停止の経緯

FUGU INNOVATIONS JAPANの発表によると、販売後、公道を走行するための保安基準が守られていないことが判明したそう。

ナンバープレートは取得できても、そのまま走行すると整備不良で違法行為の対象になるので、公道での走行はできないとしています。

原因となった「道路運送車両法の保安基準」とは?

「道路運送車両法の保安基準」とは、道路運送車両法が定めた、車体の構造・装置についての安全確保および環境保全上の技術基準のことです。

車体が公道を走行する時は、道路運送車両法の保安基準に適合していなければ整備不良車両運転で、道路交通法第62条違反となります。3月以下の懲役または5万円以下の罰金が課せられます。

電動キックボードが公道を走行するには、前照灯、番号灯、方向指示器等の整備や装着が必要で、道路運送車両法の保安基準に適合しなければなりません。

公道以外は走行可能

公道は一般的な道路のことで、車道・歩道など国や地方自治体が管理する道路です。

私道は個人や企業・団体などが所有している私有地の中で使用する道路のことで、例えば大学構内や展示場内の道路などです。

つまり公道以外の道路で走行するには、私有地で許可されている区域内ということになるので、走行できる許容範囲がかなり限定されます。

現在の日本では、公園内の遊歩道もほとんどが電動キックボード禁止区域になっていますから、注意が必要です。

公道走行対応の電動キックボード、改良後に販売再開予定

FUGU INNOVATIONS JAPANは、公道以外の走行は可能としている「FG-ESR002-BK」の今後について、販売停止の要因となった「道路運送車両の保安基準」点を改善し、販売再開の予定があると、リリースの最後を締めくくっています。話題の電動キックボード「FG-ESR002-BK」の販売再開に期待し、今後の動向に注目していきましょう。

メーカー側のコメント

公式ホームページで、販売停止の経緯と問題点、今後について発表されています。

<FUGU INNOVATIONS JAPAN公式ホームページ「お知らせ」抜粋>
引用先:https://www.fugu-innovation.com/information/1648/

『…2020年6月より販売を開始しました本商品でございますが、公道を走行するための保安基準に問題がある事が判明いたしました。
本商品はナンバーを取得できても公道走行時に整備不良で取り締まりの対象になる場合がございますので、公道走行する事はできません。
つきましては、誠に申し訳ございませんが本商品の販売を停止させていただきます。
ご購入されたお客様ならびに関係各位様には多大なご迷惑をおかけしまして申し訳ございません。

…尚、公道以外での使用については問題なく使用できます。
今後、改良した公道対応のキックボードを販売再開する予定でございます。』

返品対応について

公道以外は走行可能と記されていますが、返品について検討している購入者もいるでしょう。返品希望者は、購入した店舗に確認するか、FUGU INNOVATIONS JAPANの公式ホームページ内にあるお問い合わせフォームや、電話で連絡するように案内されています。

 ※公式ホームページ「お問い合わせ」フォーム:
  https://www.fugu-innovation.com/#contact
 ※FUGU INNOVATIONS連絡先:TEL 045-228-8768

改良版に期待!

「FG-ESR002-BK」の保安基準に適合していない問題点について、いくつか指摘されています。

・ブレーキがリア側しか無い(ブレーキは2系統必要)
・方向指示器がリア側にしかない(前後に必要)
・前照灯は常時点灯のためオン/オフのスイッチは不要
・前照灯の取り付け位置が地上1m以下でないといけない
・方向指示器の点灯時は橙色でなければならない
・形式認定番号がない

保安基準をしっかり理解し、法に則った改良版に期待が持たれます。

ドン・キホーテさんの再販が待てない方は【公道走行電動キックボード】

最近発売された公道走行モデルの「COSWHEEL EV Scooter」は、保安部品がすべてついてくるということなのでとりあえずこれを買えばOKなようです。

お値段はドン・キホーテさんと比べるとかなりしますが、保安部品が全てついてきているのは確定なので、まずは1台目と思っている方におすすめなのではないかと思います!

追記:2021年2月、ドン・キホーテで再び公道走行電動キックボードが発売!

「FG-ESR002-BK」の改良版?と思われる新型が発売

2021年3月上旬から、FUGU INNOVATIONS JAPANは公道走行対応電動キックボード「FG-EKR01-BK」(税込4万3,780円)を、一部を除くドン・キホーテ系列店舗で販売しています。

2020年に販売→販売停止となった前モデルにおいて保安基準に適合していなかった問題点を解消した、新モデルが販売となりました。

新モデルは「FG-EKR01-BK」

こちらが改良された、公道走行可能モデルのFG-EKR01-BKです。気になる価格は…4万円前後とのこと!ほとんど変わりなく、しかも今回はちゃんと公道走行ができるということで、歓喜の瞬間がやってきた!といえるのではないでしょうか。

新型の気になるスペックは?

スペック 【旧型】FG-ESR002-BK 【新型】FG-EKR01-BK 
本体重量 約12kg 約13.8㎏
タイヤサイズ 8.5インチ 8.5インチ
最高速度 約35km/h 約19㎞/h
最大走行距離 約15km 約20km
充電時間 約3時間 約3.5時間
耐荷重 約120kg 約90kg

比較してみると・・・全体的に前のスペックの方が数値的には良いところがある気がします。とはいっても、前のモデルでは公道走行ができないため、どちらを購入すべきかは一目瞭然ではありますが(個人的な意見です)

最高速度にかなりのスペックダウンがあるのは、もしかしたら安全に配慮した仕様なのかもしれませんね!他、本体重量が重くなったり、逆に耐荷重はこれまでより上限が引き下げられているのは、保安部品の取り付けが関係しているのでしょうか?

いずれにせよ、4万円台で「公道を走ることのできる電動キックボード」が購入できるのはとてつもなく素晴らしいことなので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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電動キックボードでの通勤!折り畳みで公道を走るのが最高

6月 23, 2021

【参考文献】
https://weekly.ascii.jp/elem/000/004/016/4016297/
https://forride.jp/news/fg-esr002-bk
https://www.zurich.co.jp/car/useful/bike/cc-licenseplate-documents/
https://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf5018.htm
https://www.zaikei.co.jp/article/20200625/573101.html
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku6/kickboard.htm
https://www.real-to-hearts.jp/branch/nigata/topics/1699.php
https://www.fugu-innovation.com/information/1648/
https://www.fugu-innovation.com/information/1648/
https://www.zaikei.co.jp/article/20200625/573101.html